創作メモ20180426
身体知篇1「結合双生」を一端書き終えた。
原稿用紙120枚程度の中編にまとまった。
一方、身体知篇2「重力受信(仮)」についてほとんど何も考えが浮かばないので、以下、アイデア出しをする。自由連想記述で好き勝手に書いていく。
主人公について
・映画「インセプション」のディカプリオ演じる主人公のイメージ。無精ひげの30代半ば。
・南米あたりの大衆食堂でドライなメキシコ料理を酒とともについばむ。暑い。だが、空気は乾燥している。雑多な通りには、人々が多く行き交う。終始、不機嫌そうな描写。恐らく、仕事に集中することで人生の不全感から目を逸らしていることが窺える。
・彼の仕事は、スナイパー。
・狙撃手は戦争における役柄において、飛行士と並び物語性、芸術性に恵まれる。彼もまた、優秀なスナイパー。
・スナイパーには狙撃の技術もさることながら、高い精神性が求められる。ある種、念力を思わせる程の集中力。この狙撃の瞬間と精神性の深まりがスナイパーを属性に選ぶ重要な点。狙撃の瞬間の一点に、戦局の動向というコイノス・コスモス(社会的共有世界)と、深層記憶のトラウマなどのイディオス・コスモス(個人的幻想世界)が重なり合う状況が可能になる。
・例えば、主人公(とりあえず、名前を、トートとしよう)は、妻或いは娘を自分のせいで殺した。ウィリアムテルごっこのバロウズみたいに狙撃でぶっ殺したでもよい。いや、だめ。
・夜な夜な、か、白昼夢的に、その妻或いは娘の亡霊が「あなたのせいで」と祟って来る。→それ故に、仕事に打ち込み全てを振り切ろうとしている。
・しかし、幻覚から逃げるためだった狙撃手としての使命が、彼が英雄と呼ばれる程に認められてきた時期に、幻覚に飲まれてしまう。
・→投手のイップス病のように、最も大事な瞬間に手元が狂う現象が起き始める。
・トートは焦燥の中、狙撃の際の集中力を研ぎ澄ましていくが、いつしか、狙撃の瞬間に集中を深めすぎ、(ある種の瞑想状態)変性意識が喚起され、トリガーを引くその瞬間に、死んだ妻或いは娘が目の前に立ち現れる。
・変性意識に入り込むという案内として、スナイパーのスコープを覗き込むというのはダイブ的・トランス的でよい。
・妻或いは娘はトートを探しさまよう亡霊。いつも「祟るぞ」みたいな強迫的な出現ではなく、まず初めに「あなた? あなたなの? あなたなのよね。今までどこにいってたの? 会いたかったのよ」と、まるで、主人公の存在に気が付いたように、今、まさに見つけたかのように話しかけてくる。
・妻或いは娘の亡霊は、トートが罪を犯したということをまだ知らないような語り掛け方で接触してくる。トートにとっては、隠した罪が今明かされてしまうような、秘密の暴露の瞬間を目前に控えたかのような恐怖が走る→故に「呪い殺すぞー」ではあほすぎて駄目。
・妻或いは娘の亡霊「助けて。あなた。ここは苦しいの。とても苦しい。助けて。誰が私をここに押し込めたの? 助けて 誰が私を殺したの?」→トートは心の中で「それは俺なんだ」と恐怖を感じる。亡霊は、ただただ死んでしまい酷く苦しいのだという訴えだけを続ける→地獄。
・――といったふうにトートはある種の精神病で、普段は普通だが、狙撃のピークのある一瞬に、個人的で内的な世界が深層意識から噴き出してしまう。しかも、それが、社会的で外的な世界の行方を決める戦争の狙撃の一瞬なので、物語世界と主人公の内的世界が強く結びつくストーリーに仕立て上げられる。
・一方で、SF的なガジェットが必要だ。
・銃のスコープは印象的なアイテムだ。何か意味がありそうだ。
・スコープは遠くのものを見る道具。遠くとは未来か? いや過去もある。
・良いアイデア! スコープを覗くと、〇の中に十が見える。つまり2軸4象限の世界だ。例えば、そのスコープというのが数秒先の未来を可視化するガジェットだとする(例えば重力場量子的なものの可視化装置とかそういう理屈で)。それ故に、トートは狙撃相手の位置や次の行動を少し早読みでき優秀な狙撃手となっている。しかし、未来を見通す一方で、トリガーを引く一瞬に亡霊が現れてしまう。亡霊とは過去の後悔の象徴だ。つまり、1つの軸は未来と過去だ。そしてもう一つの軸は、社会的共有物語と個人的幻想物語のそれだ。相反するものをその一点で表現する。
・しかし、身体知篇のコンセプトからすれば、スコープばかりが特異点となって、身体が置き去りだ。どうする。
・スコープを、目に埋め込まれたスマートコンタクトレンズとかにするか? 微妙。
・思いつかないのでまた改めて
・とりあえず、内的世界のドラマの方は、最後のシーンで外的世界の敵を撃つのか、内的世界の亡霊を撃つのかの分岐でピークは作れる。
・亡霊を撃てれば恐らくハッピーエンド。新たな未来へ。亡霊を撃てなければ内的世界の氾濫でアウト的なかんじか? もう少し複雑にしたい。
・他方、もっとSF理論的なダイナミックな展開が欲しい。このままではヒューマンドラマだ。
・SF的にいうのならこれは「未来記憶」の話に広げられるか? 或いは、未来と見せかけた過去とか。大雑把に空間ではなく時間を見通すガジェット。
・どう身体と繋げる?
・脳に重力場量子受信の才があるとかあり得るけど、あまり身体的な感じがしない。右腕とか? 妥当にいくなら眼玉だ。光子を感受する網膜のような、重力子を感受する何かの器官(故に特殊スコープを使える)。まぁ、そんなところでいいかも。
・なんか今一歩、超越感がない。
・結合双生の主人公がばあさんになってて、彼女の小説が今回の未来舞台でアングラで流行ってるとかはいいかも。冷戦が1989年に終了した世界がフィクションとして消費されている冷戦の続いた世界。
・主人公はその小説を読んで、何かに気が付く。
・いずれにせよ、このままじゃ普通のタイムパラドックスものになってしまう……何かアイデア出るまで書かないこと
・時間のガジェットについては、重力波。質量のあるものの運動が、重力の波を生む→トートは何かしらの大きな重力波を生む身体性
・一般相対性理論→時空のゆがみこそが、重力の原因。重力で引き寄せられるのではなく、時空のゆがみに質量がおっこちる ニュートンからアインシュタインへ。
・ニュートンの重力には速さがなかった。アインシュタインのそれは速度を考えた。
・光も重力も速さがある。現実には伝わる速さがある。
・時空連続体に質量が走った時の、波(連続し弾性がある)こそが重力。光も曲がる
・アメリカのLIGO(ライゴ)などの観測機、日本のKAGRA→つまり、レーザー干渉計の往復運動による干渉縞から
・つまらない。スナイパー設定なし
・ 縄文土器でもだすか
・瞼の裏に別の視覚
・
他の想起
・連星中性子性の衝突でブラックホールが出来る様は結合双生そのものだ
・何か全体としての構造があって対称性が破れ宇宙ができたというよりも、全体があって、対称性が破れて、何重にも破れができて、次元が低く、微細に、なっていくモデル
・物理パラメーターを人間存在に最適化した人間原理宇宙→仮想空間
・アウトバーストの光